今から遡ること約15年前、川口家にひよこがやってきた。
それは七夕祭りで山積みにされて、息も絶え絶えなところを
満6歳になるユイの友人が、小遣いはたいて救出してきたのだ。
だが、そうはしたものの、彼女の家には庭がなく、
二羽のひよこは元気にぴいぴい、くたばる気配もない。
そして悩んだ挙げ句、とうとう里子にだしたわけ。
「おんどりとめんどりだから」
その言葉にのせられて、
「毎朝、新鮮卵が食べられる!」
と、ユイは心踊らせ引き受けた。家族もみんな微笑んでいた。
ちいさなひよこはとっても可愛い。
「この足の遅い方がめんどりだろう、めんどりちゃん、めんどりちゃん…」
なんかおかしい、ニ羽とも不敵な顔つきになってきた。
と、思ってるうちに頭から立派な赤いものが…この大きな鶏冠は?
「二羽ともおんどりじゃないかあ!!」
かわいいひよこが二羽ともキョーボーな雄鶏になってしまった。
「じゃあ、めんどりだと思ってたお前は…おんどりゃあ!」
と、いうことで彼は”めんどら”と命名された。
足が速くて欲張りの”だっちょ”と、とにかく凶暴な”めんどら”は、
フライドチキンになることもなく、10年間、川口家の裏番として君臨し、
春には互いに血みどろの戦いを繰り広げ、さんざん家族をこき使った挙げ句、
ひとつの卵も産み落とすことなく大往生を遂げたのだった。
彼らの理不尽な生きざまは、思春期のユイに強烈な印象を残していった。
「恩も売らんし、恩にも着ない」
MENDORA(ニワトリ)的な潔さ、というか身勝手さ、ふと気づくと自分も
似てるんじゃないかという気がしてくる…!
そういうわけの、『MENDORA.COM』なのでした。
ゆい・記
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